会社選びをする際には、誰でも心地よく働ける環境を選びたいですよね。
毎日終電で帰れない、タクシー帰りなのに残業代も出ない、休みをとりたくてもとれない、なんていう典型的な「ブラック企業」に就職してしまうと心身ともに疲弊してしまいます。
そんな労働環境でスキルが身につけばマシですが、大したスキルや経験もできていないなんてことになると、たまったものではありません。
ホワイト企業ってどんな特徴なの?
ホワイト企業はどうやって見分ければいいの?
私は、ありがたいことにこれまでホワイト企業でしか働いたことがありません。
ホワイト企業の経験者が、ホワイト企業の特徴と最新の見分け方について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ホワイト企業の特徴
ホワイト企業とは
どちらかというと、労働環境や待遇が悪い反対語の「ブラック企業」のほうが、世間的浸透度が高いでしょうか。
ホワイト企業は、ブラック企業の反対で、福利厚生など社員の待遇が充実していて、働きやすい会社のことをいいます。
就活中の学生アンケートでは、福利厚生などの労働環境を重視する傾向が年々高まっているそうです。
ちなみに、Wikipediaにはこう定義されてます。
ホワイト企業(ホワイトきぎょう)とは、就職活動を行うに際して、入社後に福利厚生が整っていたり離職率が低い、各種法令や社内規則を遵守しているなどから入社することが好ましいとされている企業。
反意語にはブラック企業という言葉が存在しており、従業員への待遇が酷い企業という意味で使われている。
(出典)Wikipediaより
ホワイト企業の特徴
では、具体的にホワイト企業の特徴をみていきましょう。
明確な定義があるわけではないのでいろんな観点があるかと思いますが、私なりにホワイト企業に共通しているなと思う5つの特徴をピックアップしました。
特徴①:働き方の柔軟性が高い
特徴②:離職率が低い
特徴③:独自の福利厚生制度をもっている
特徴④:残業や業務量が適切に管理されている
特徴⑤:社員の健康を大事にしている
それでは、1つずつ特徴をみていきましょう。
特徴①:働き方の柔軟性が高い
ホワイト企業は、社員の働きやすさを優先して考えてくれているので、働き方が柔軟であることが多いです。
最近だとコロナウィルスの拡大が社会問題になった際に、即座にリモートワークに切り替えたかどうかなどの対応がわかりやすいと思います。
もちろん、仕事によっては通勤が必要な職業もありますが、マスクを確保して支給したり、感染予防のビニールシートを設置したりなど、企業の対応の早さにホワイト企業度合いが見てとれます。
株式会社マクアケでは、リモートワークに対応するため、希望者の自宅にオフィスチェアやディスプレイを送付してくれたり、ランチ支援として野菜やお弁当を送ってくれたりといろいろな支援をしてくれたそうです。
詳しくはこちらの記事にまとまっているので、ぜひ御覧ください。
緊急時にこんな対応してくれる会社とかって最高ですよね。
社員を大事にしている会社は、環境にあわせて働き方を柔軟に対応してくれます。
特徴②:離職率が低い
これは結果論になりますが、ホワイト企業は離職率が低いという共通項があります。
社員が働きやすい環境の会社なので、納得の項目ですよね…
とはいえ、退職は必ずしもネガティブなものだけではないので、単純に離職率の数字よりもどういう退職が多いのかが本質的には重要です。
最近では、辞めた社員による口コミが見られるサイトなどもあるので、そういった情報も参考にするとよいと思います。
特徴③:独自の福利厚生制度をもっている
ホワイト企業は、独自の福利厚生制度を用意している会社が多いです。
福利厚生には、健康保険や雇用保険といった法定で義務付けられたものと別に、会社が独自に定めている法定外の福利厚生制度があります。
ホワイト企業は、法定外の制度に独創性があり、充実している傾向があります。
たとえば、オフィスの半径2キロ以内に住んでいる人への「近隣住宅手当」や、誕生日が休みになる「バースデー休暇」など、会社ごとに独自色のある制度があります。
面白法人カヤックという会社では「サイコロ給」という制度を導入していて、社員は毎月サイコロを振って出た目によって給料が決まるというユニークな制度です。
この制度はホワイト企業と直接的にあまり関係ないかもしれませんが、社員が働きやすい環境整備に積極的であることがホワイト企業の特徴です。
特徴④:残業や業務量が適切に管理されている
ホワイト企業は、終業時間が早く、ワークライフバランスがしっかりしています。
残業が慢性化している会社では、長く会社に残ることが美徳とされていて、仕事が終わってもなかなか帰りづらい雰囲気の会社もあります。
会社全体の考え方として、業務を時間内できっちり終えて、終わったら帰るという雰囲気が徹底されている会社は働きやすい環境といえます。
また、単純に残業が少ないというだけではなく、業務量が適切にコントロールされていることも重要です。
よくあるのが、業務は大量に残っているのに、「早く帰れ」と帰ることが強制されてしまう環境です。
マネージャーが個人ごとの業務量を適切に把握し、業務量と業務時間のバランスがとれている状態が最高の環境です。
特徴⑤:社員の健康を大事にしている
ホワイト企業は、社員の健康への投資に積極的であることが多いです。
私達が健康で働くことができれば、生産性があがり、会社としてもハッピーだからです。
社員が体調を崩してしまい、退職することになれば、会社としては大きな損失になります。
最近は病気や怪我などによる離職よりも、メンタルヘルスを理由に退職を余儀なくされるケースが増えてきています。
心身ともに社員が健康であることをどれくらい重要視しているかは、ホワイト企業かどうかを見極める上で、とても重要な判断材料になります。
ホワイト企業の簡単な見分け方
では、ホワイト企業をどのように見分けたらよいでしょうか。
厚生労働省は、ホワイト企業にお墨付きを与える「安全衛生優良企業公表制度(ホワイトマーク)」を運用しています。
しかし、2020年4月現在で31社しか認定されていないという、とてつもなくハードルが高い認定制度です。
いかにもビジネスがわかっていない浮世離れした厚生労働省が考えそうな制度ですが、こんな厳しい制度ではホワイト企業の見分けとして実行上意味をなしません。
なので、おすすめとしては、経済産業省が主導している「健康経営」に着目して、ホワイト企業を見分けるのがよいと思います。
経済産業省のHPによると、健康経営とは下記のように説明されています。
「健康経営」とは、従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践することです。
企業理念に基づき、従業員等への健康投資を行うことは、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上や株価向上につながると期待されます。
(出典)経済産業省HP より
ホワイト企業の特徴でもみてきましたが、会社が社員の健康に投資できるということは、経営的にもある程度余裕がなければできません。
会社の経営が順調であるということは、結果として年収などの待遇面でも還元が期待できます。
そういう意味で、社員の健康にどれだけ投資できているかが、ホワイト企業を見分けるバロメーターといえるのです。
では、「健康経営」を推進している企業に、どんなお墨付きがあるか制度の詳細をみていきましょう。
①健康経営優良法人
「健康経営優良法人認定制度」は、経済産業省が健康経営に取り組む企業の「見える化」を進めるため、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業を「健康経営優良法人」として認定する制度です。
「健康経営優良法人2020」では、大規模法人部門が1,477社、中小規模法人部門で4,817社認定されています。(2020年5月1日現在)
取得しているかどうかは、このマークが目印になります。
②健康経営銘柄
「健康経営銘柄」は、優れた健康経営を実践している企業を、東京証券取引所の上場企業33業種から、経済産業省と東京証券取引所が共同で各業種につき原則1社ずつ選定するものです。
「健康経営銘柄2020」では、30業種40社が選定されています(選定された40社の詳細情報はこちら)。
健康経営銘柄は、社員の健康に関する制度だけでなく、経営的な財務的観点も考慮されて選ばれるため、健康経営推進における最高峰の証です。
取得している企業は、このロゴを使用することができます。
ご紹介した安全衛生優良企業、健康経営以外にも、女性活躍を推進している会社を認定する制度など、複数の観点でホワイト企業を探せる検索ページがあるので、ホワイト企業がどこか調べたいときはこちらのサイトから探してみてください。
さいごに
ホワイト企業の認定は、あくまで外面的な制度の部分です。
細かな運用方法や社内の雰囲気、自分自身にフィットしているかは、自分の目でしっかり見極めるようにしましょう。
また、ホワイト企業は確かに働きやすい環境ではありますが、場合によってはビジネスパーソンとしての成長機会を失うこともあります。
私自身、20代をホワイト企業でぬくぬく過ごした結果、スキル面の成長や経験という意味ではスタートダッシュができなかったと反省しています。
過重労働がよいと肯定するつもりは毛頭ありませんが、スキルアップや成長のためには一定量の業務経験は必要です。
運良くホワイト企業で働くことができている方は、業務外で成長のための時間を確保するなど、自分自身のスキルアップ環境を確保するよう心がけましょう。