こういった相談を、たくさんの後輩からもらいます。
特に、大企業に勤めるサラリーマンで、就活ゴールになってしまった若手社員が、想像していた社会人の仕事とのギャップに苦しむ中で、自分のやりたいことへの壁にぶつかることが多いように思います。
かくゆう私も、「やりたいこと」を常にアップデートしながら模索し続けています。
そんなやりたいこと迷子だった私が、やりたいことを探しているサラリーマンにおすすめの方法を見つけました。
その方法がまとまっている本が、八木 仁平さんが書かれた「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド」です。
やりたいことが見つからない方に、なぜこの本がオススメなのかについて、本書のメソッドを実践している私がご紹介していきます。
個人の「やりたいこと」が大事な時代
みなさんは、会社の「ミッション、ビジョン、バリュー」って聞いたことがありますか?
イケてるスタートアップの多くは、この「ミッション、ビジョン、バリュー」が明確で、3つの頭文字を略して「MVV」と呼ばれています。
MVVとは
ミッション :組織が社会に対して果たすべき使命
ビジョン :実現を目指す理想の姿
バリュー :組織が共通して持つ価値観
MVVが明確な企業は、やるべきこととやらないことが明確になります。
つまり、MVVの明文化が会社経営における軸となるわけです。
企業にとってMVVが重要であるのと同様に、個人のMVVも重要なわけです。
「企業のミッション」の個人版にあたるのが、世間で言われる「やりたいこと」にあたります。
就職活動や転職活動においては、双方のミッション(=やりたいこと)をすり合わせることで、お互いのミスマッチを防ぐことができます。
しかし、個人の「やりたいこと」が明確でない場合、入社後に「イメージと違っていた」「自分が活躍できる環境ではない」といったミスマッチになってしまう可能性が高まります。
そのためにも、「やりたいこと」を明確にしておくことは、現代ではとても重要なことなのです。
「やりたいこと」とは何か?
「なりたいもの」と「やりたいこと」の違い
みなさんは「やりたいこと」といったときに、どんなことを想像しますか?
- 役者になりたい
- エンジニアになりたい
- 商社で働きたい
おそらく、こういった回答をやりたいこと、だと想像したのではないでしょうか。
私も、これが「やりたいこと」だと思っていました。
しかし、本書ではこれらは明確に「やりたいこと」ではないと説明されています。
本書の中に、下記のようなやり取りがあります。
八木 Tさんの『やりたいこと』はなんですか?
Tさん 役者です
八木 それは『なりたいもの』ですよね。役者になることで、何をやりたいんですか?
Tさん うーん…。上手く言葉にできませんが、舞台に立って演じるのが好きで、それを見てお客さんが感動してくれるようなことをやりたいです。
八木 なるほど、じゃあ別に役者じゃなくても、演じることでお客さんが感動してくれれば良いんですかね_
Tさん …確かにそうですね。ずっと役者で成功しなきゃと思っていましたが、役者でなくてもいいのかもしれません。
八木 じゃあ『役者』は5年やってダメなら諦めてもいいけれど、『演じてお客さんを感動させること』は諦めないでください。一緒に別の実現方法を探していきましょう。
私を含め、多くの人が「やりたいこと」を「なりたいもの(職業)」だと勘違いしていると思います。
「やりたいこと」と「本当にやりたいこと」
では、「やりたいこと」とは一体どんなことなのでしょうか。
本書では、やりたいことは下記のように定義されています。
好きなこと × 得意な事 = やりたいこと
(出典)八木仁平公式サイトより
「好きなこと」は分野、「得意なこと」はその分野でどうするかで、これを掛け合わせた「何をどうやってするか?」が「やりたいこと」です。
例えば、ファッションが好きなことで、物作りが得意なことだったら、「ファッション関連の物作りをする」ことが「やりたいこと」になるといった感じです。
さらに、本書ではやりたいことよりさらにレベルの高い「本当にやりたいこと」というものが存在すると説明しています。
やりたいこと × 大事な事 = 本当にやりたいこと
(出典)八木仁平公式サイトより
「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド」では、この「本当にやりたいこと」の見つけ方について、とてもわかりやすく、かつ体系的にまとめられています。
本書の骨格とやりたいことの定義については、こちらの記事を読んでいただければ概ね理解できると思うのであわせてご覧ください。
本書のオススメポイント
では、やりたいことを見つけるのに、本書をオススメするポイントを3つご紹介します。
①定義が明確である
「やりたいこと」に関連する他の書籍では、言葉の定義が曖昧に使われていることが多いです。
上記でもご紹介しましたが、本書では明快に言葉の定義がされているので、言葉を混同することがありません。
私もいろんな本を読みましたが、この本の定義が一番スッキリしているので、自己理解の分野ではこの分類が定番になるのではないかと思っています。
②具体例がわかりやすい
本書は著者である八木仁平さんや、自己理解プログラムでやりたいことを見つけた方の具体的なエピソードがふんだんに盛り込まれています。
そのため、どのような抽象度で書けばよいかがとてもイメージしやすいです。
③ワークの進め方が明確
巻末には、やりたいことを見つけるためのフローチャートがまとめられているので、どのように進めるかで迷うことがありません。
また、巻末特典として「大事なことを見つける30の質問」「得意なことを見つける30の質問」「好きなことを見つける30の質問」など、充実したアシストがあります。
なので、初心者でも「やりたいこと」を見つけられるように、順を追ってナビゲートしてくれます。
さいごに
やりたいこと探しで自分探しの迷宮にさまよってしまった方は、まず「世界一やさしい「やりたいこと」の見つけ方」を手にとって、ワークを進めることがオススメです。
この本を読む前に、他の自己理解本を読んでしまうと、迷走してしまうかもしれません。
なので、本書でしっかりと自己理解の土台を固めましょう。
僕も、本書を読むことで「やりたいこと」と呼んでいたものの正体がかなりクリアになりました。
一番おもしろないなと感じた点は、「得意なこと」はスキルや知識ではなく、成果を出すために使える無意識な思考・感情・行動パターンだという点です。
キャリアの長いビジネスパーソンだと、得意なこと=プログラミングができるとか、Webマーケティングといった、「スキルや知識」と考えがちです。
しかし、本書ではそういうスキルや知識ではなく、無意識に行っている特性に着目しています。
無意識にできる「得意なこと」だからこそ、会社や環境を越えて成果を再現できるのだと思いました。
そういう意味でも、本書で見つけた「本当にやりたいこと」は個人のミッションに該当するべき、人生の羅針盤だと思います。
「やりたいこと」がわからなくて悩んでいる方は、ぜひ本書を手にとってみてください。
また、本書を読み終えたあとは、これらの本も勇気づけられるのであわせて読んでみてください。
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