転職活動で、一番最初の選考プロセスとなるのが「書類選考」です。
今はコロナ禍で求人が減っていて、一方の求職者が増えているため、書類選考通過がどんどん厳しくなっています。
そんな人が見直すべきなのは「職務経歴書」です。
書類選考では、職務経歴書にどんな内容が書かれているかがとても重要で、選考の合否にとても大きく影響します。
私は、求職者として職務経歴書を作成した経験もあり、選考側で職務経歴書を見ていた経験もあります。
職務経歴書の書き方ポイントをおさえて作成していることで、書類選考で落とされることはほとんどありません。
今回は、職務経歴書の作成のコツをお伝えします。
職務経歴書とは
職務経歴書は、これまで所属してきた会社で、どんな経験を積み、どのような成果を出して来たか、どのようなスキルを持っているかをまとめたものです。
転職活動の際は、転職エージェントや応募企業に履歴書と職務経歴書の提出を求められることが多いです。
職務経歴書に決まったフォーマットはないので、WordでもExcelでも書きやすい形式で、A4数枚にまとめましょう。
職務経歴書の基本構成
職務経歴書に決まったフォーマットはありませんが、おおまかに書きべき基本構成として、
- 職務要約
- コアスキル(強みや経験職種)
- 職務経歴
の3項目をまとめていきます。
それぞれの項目ごとに、書くべき内容と注意点について詳しく見ていきましょう。
①職務要約
職務要約のパートは、キャリアのサマリーを200〜400文字程度で説明する部分です。
職務経歴書の冒頭に書くことが多く、とても大事なパートです。
なぜ大事かというと、企業の人事担当や面接官が最初に目を通す箇所だからです。
忙しい企業担当者が1分以内にあなたのよさを理解して、興味を持ってもらうためには、このパートが鍵になります。
職務要約で、ひきつけができるかどうかが転職における書類選考通過のポイントになります。
②コアスキル
職務経歴書のコアスキル項目には、あなたが保有しているスキルセット(経験、能力、知識)を、5つ程度のキーワードでまとめます。
企業側は、この項目であなたがどんなスキルを持っているかを見ています。
応募しているポジションで必要とされるスキルセットをあなたが満たしているかどうかを確認します。
中途採用のほとんどは、即戦力として活躍してくれることを期待するので、必須のスキルや経験を有しているかは重要視される項目です。
第二新卒や若手の採用などでは、未経験でも応募OKなポジションもあります。
その場合は、該当する職務経験がなかったとしても、数カ月後に戦力として活躍できるポテンシャルがあるかどうかを書類を通じて確認されます。
なので、これまでの経験を通じて応募職種につながりそうなスキルや経験を、しっかりアピールできるように記載しましょう。
③職務経歴
職務経歴のパートでは、①の職務要約で説明したキャリアの詳細について記載します。
どの会社で、どんな業務を経験し、どのような役割で、どのような成果を出したかを書き出していきます。
このパートで注意すべきは、自分自身がどんな活躍をしてきたかについて、読み手がわかるように書くことです。
経験したあなたにとっては、当たり前の内容であっても、業界や職種が違えば内容がわからないことはよくあります。
他の業界、職種の人が読んでも、あなたの過去の活躍ぶりがイメージできる要素を、わかりやすい言葉で書いていきましょう。
また、職務経歴パートは、成果や実績をできるだけ具体的な数字で定量的に示すことを心がけましょう。
「上期の売上目標達成」と書くだけではなく、「上期の売上目標1億円に対して実績1.5億円(150%達成)」のように、達成度が具体的にイメージできるような書き方を意識しましょう。
定量的に数値化することで、あなたがコアスキルを有していることの証明にもつながりますし、その説得力が増します。
④その他付加情報
表彰、語学、資格、特記事項など、本編で書ききれない付加情報を説明します。
無駄な情報は極力省き、全体のストーリーに必要な情報だけ記載するように心がけましょう。
書類選考通過に「職務経歴書」が重要な理由
多くの転職者は、職務経歴書の基本がなっていないため、あなたの職務経歴書の質が高ければ、それだけで書類選考に向けた大きなアドバンテージになります。
また、職務経歴書の出来栄えは、その人の仕事の質を連想させるという点でも、隅々まで気を配って作成するように心がけましょう。
①書類選考の通過率があがる
書類選考で選考の合否に最も影響するのが「職務経歴書」です。
面接選考に進めるかどうか判断する際に、職務経歴書を見て判断します。
なので、書類選考の通過率をあげるために、職務経歴書の精度をあげることが最も有効です。
②面接を有利に進めることができる
面接に進んだ場合も、職務経歴書で書いた実績をもとに面接が進むことが多いです。
面接担当者も職務経歴書を読んだ状態で面接に望むので、記載した情報から面接で話したい内容を有利に誘導することも可能です。
企業は職務経歴書のどこを見ているか?
では、書類選考の際に、企業は職務経歴書のどこを見ているのでしょうか?
①これまでの活躍状況
これまで所属してきた会社で、どんな役割を果たし、結果どのような成果をあげてきたのかを見ています。
その経験を通じて、どのようなスキルや経験を得たのかもあわせて確認しています。
そして、これまでの経験や実績、スキルがこの会社で活かせそうかどうかを見ています。
30代の方であれば、マネジメント経験があるかどうかなども書類で確認するので、そういった経験があれば対象の人数や実績についてしっかり記載するようにしましょう。
②キャリアの一貫性
詳細は面接の際に確認する内容ですが、職務経歴書に書かれたこれまでのキャリアに一貫性があるかどうかを確認します。
そして、これまでの経験を踏まえて、次にその企業がその方の志向性としてマッチしていそうかどうかを想像します。
不動産→金融→商社→IT
のように業界を変えて転職している場合は、その一貫性を必ず聞かれます。
面接官が納得できるキャリアストーリーを話せるように準備しておきましょう。
職務経歴書改善のポイント
職務経歴書を改善する際は、下記の3つのポイントを抑えて改善しましょう。
①強みがしっかり伝わるように書こう
職務経歴書で最も強調したい「コアスキル」を明確にし、あなたがどんなプロフェッショナルなのかが書類を通じて伝わるように書きましょう。
営業がコアスキルの場合でも、大規模法人営業が得意なのか、ルート営業が得意なのかコアスキルの詳細がわかるように書きましょう。
また、その強みが発揮できた経験を、具体例として盛り込んで起きましょう。
②一貫性を大事にしよう
職務経歴書にあれこれ書きすぎて、結局何が言いたいかわからなくなっている方が多くいます。
おそらくいろいろな経験を積まれて、実績がある方なのに、読み手があなたのすごさをイメージできないとすれば、とてももったいないことです。
強みを軸にした全体のストーリー構成をつくり、そのストーリーに一貫性を保てないような情報はあえて職務経歴書に書かない勇気を持ちましょう。
③先方のニーズにあわせて見せ方を変えよう
応募する業界や職種、ポジションによっては、重視するポイントが微妙に変わっていることがあります。
同じ経験でも、結果の数値にフォーカスする場合と、その実現に至ったプロセスにフォーカスする場合では見せ方が変わってきます。
先方が数字を重視するのであれば全社に、組織化して仕組み化することを重視しているのであれば後者など、微妙にカスタマイズするとよいでしょう。
さいごに
採用をしている人事担当者や、面接をする人はとても忙しく、多くの場合は時間がない中で職務経歴書を見て書類選考しています。
なので、短時間であなたの魅力が伝わらない職務経歴書であれば、せっかくのチャンスが台無しになってしまうというケースもあるのです。
職務経歴書は、一度型を決めてブラッシュアップをしておけば、その後のメンテナンスが楽になります。
意外と時間がかかって面倒に感じるかもしれませんが、職務経歴書はこれからのキャリアに必要な武器になります。
また、職務経歴書をきれいにまとめる過程の中で、これまでのキャリアを棚卸しすることにもつながります。
ぜひ職務経歴書をブラッシュアップさせ、書類選考の通過率をあげてください。
みなさんの転職活動がうまくいくことを心から願っています。