みなさんは今ストレスを強く感じていますか?
ビジネスの最前線で活動していると、職場の人間関係、仕事のトラブルなど、様々なストレスを感じていると思います。
特に、最近はコロナ禍によって、会社は大丈夫だろうか、将来このままで不安だといったように、未来に対する漠然とした不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
このように、ストレスを悪いものだと捉えていると、死亡リスクが43%も高まってしまうそうです。
ポイント
ストレスは役にたつもので、なるべく受け入れて、うまくつきあっていく
このような考え方ができるようになる力こそが「レジリエンス」です。
現代のビジネスパーソンは、ストレスと無縁でいることは不可能です。
本記事では、レジリエンスとは何かについて学び、どのように鍛えていったらよいか具体的な方法とおすすめの本について解説していきます。
レジリエンスとは
レジリエンスとは、ひとことで言ってしまえば「逆境や困難を成長の原動力に変える力」のことです。
オックスフォード英語辞典によれば、下記のように定義されています。
曲げる、伸ばされる、つぶされるなどの後に、もとの形状に弾力的に戻る能力
困難な状況に耐え、素早く回復する能力
逆境やトラブル、強いストレスに直面したときに、適応する精神力と心理的プロセス
(引用)オックスフォード英語辞典より
レジリエンスの高い人が共通してもっているのが、次の3つの特徴です。
- タンポポのようにどんな環境でもやっていける適応力
- 竹のようにすぐに元の状態に戻る回復力
- 困難にぶちあった時にテニスボールのように跳ね返す緩衝力
ウィズコロナ、アフターコロナの世界では、不確定要素が高く、手順が決められていないことがたくさん発生すると思います。
そんなとき、失敗を恐れて行動を回避するのではなく、勇気ある一歩を踏み出すために必要なスキルこそが「レジリエンス」なのです。
レジリエンスを鍛える5つの習慣
では、レジリエンスはどうやったら鍛えられるのでしょうか。
レジリエンスを鍛えるために、誰でもすぐに取り組める5つの習慣と、おすすめの本をそれぞれ紹介していきます。
①呼吸をととのえる
ストレスが強くかかると、呼吸が浅くなりがちです。
イライラを感じたり、不安や焦りを強く感じたら、深い呼吸でクールダウンさせ、ストレスの緊張を緩和させることがおすすめです。
ネガティブな感情を感じたら、緊張を緩和させるため、深い呼吸を心がけるように習慣づけましょう。
呼吸のやり方は、4秒かけてゆっくり息を吸い、6秒かけてゆっくり息を吐くことを繰り返します。
1分間に4〜6回の深い呼吸が目安です。
横隔膜を使った深い呼吸は、副交感神経の働きを高め、内臓の血液循環を改善してくれます。
また、深い呼吸で酸素を摂取することで、自律神経が安定し、高血圧の予防にもなります。
これらの呼吸法は、マインドフルネスとあわせて行うとさらに効果的です。
マインドフルネスに関しては、こちらの本がおすすめですので、ぜひ参考にしてください。
②運動する
仕事で強いストレスやネガティブな感情を感じたら、すぐに実行したいのが運動です。
有酸素運動はフィジカル面の健康に効果があるだけでなく、脳内ホルモンβエンドルフィンが分泌されることで、ストレスを低減し、不安を解消してくれる効果があるのです。
ある研究では、運動はうつ病の改善効果があっただけでなく、その再発防止にも効果があったそうです。
また、運動はレジリエンスを鍛えるだけでなく、健康面で様々なメリットがあります。
・糖尿病など生活習慣病の予防効果がある
・骨や筋肉が強くなり、生活の質が向上する
・睡眠が改善する
・肥満防止になる
・新しい脳内神経細胞が生成され、脳が若く元気になる
これだけの効果があるのに、運動しない理由はないですよね?
ただ、時間がなく運動を習慣にするのが難しいという方も多いと思います。
そんな方におすすめなのが「早歩き通勤」です。
イライラを感じたその日は、なるべくはやく仕事を切り上げて、帰宅時にいつもよりもスピードをあげた早歩きでそそくさと帰りましょう。
在宅勤務の場合は、外にでて気分転換に早歩きでウォーキングするのがおすすめです。
悶々と考えながら歩くことで、徐々に気持ちがクールダウンしてきます。
③アサーティブを心がける
アサーティブとは、爽やかな自己主張のことです。
言いたいことが言えないと、後味が悪く後悔してしまいますし、逆に攻撃的に自分の主張ばかり言ってしまうと、立場を悪くしてしまうかもしれません。
アサーティブなコミュニケーションとは、自分と相手の立場を両方大事にした上で、適切な表現で自己主張をすることをいいます。
たとえば、上司から呼ばれて「明日までに資料を作成してほしい」と頼まれたとします。
しかし、あなたは現在取り掛かっているA社への提案書作成で手一杯の状況です。
あなたならなんと上司に伝えますか?
ストレスをためやすい気弱な方の場合、「はい、わかりました」と持ち帰ってしまうでしょう。
また、攻撃的な性格の方だと、「今日は忙しいので無理です」ときっぱり断るでしょう。
アサーティブな回答とは、
「実はA社への提案書を今日中に完成させなければいけないんです。その資料作成は明日からの着手になりますが間に合いそうですか?A社への提案書よりそちらの資料作成の優先度が高いようでしたら、提案書は誰かにサポートをお願いできるとありがたいのですが。」
みたいないいまわしです。
この表現だと、自分の主張をしっかり伝えつつ、相手の立場も尊重した言い方になっていると思います。
アサーティブな表現を心がけることで、相手の立場を尊重しているため良好な関係を保つことができ、言いたいことが言えるようになることで「自己効力感」も高まります。
④感謝日記を書く
ストレスを強く感じているときは、ネガティブな言葉や感情に目がいきがちです。
そこで、ポジティブな感情を高める手段として、感謝日記を書くという方法があります。
ココがポイント
【感謝日記の書き方】
1日の終りに感謝したことを思い出し、その出来事を日記に書き出す
どうしてこのよい出来事がおこったかについて考える
どうですか?とても簡単ですよね。
日記はノートに書いてもいいですが、個人的には毎日の通勤時間にスマホで書くのが習慣化しやすくおすすめです。
日記を書くアプリもあるので、そういったものを活用して、短くてもよいので継続させましょう。
⑤事実と思い込みを切り分ける
急な天候の急変で飛行機が飛ばなくなったとき、コロナで出勤できなくなったとき。
同じ出来事が起こっても、人によって反応は様々です。
出来事に対して異なる反応になるのは、その人ごとに過去の経験で刷り込まれた信念や価値観の「思い込み」があるからです。
たとえば、出社したときにいつも優しくしてくれる上司が、その日はそっけない態度だったとします。
その結果、一日中憂鬱で仕事が手につきませんでした。
何か上司を怒らせることをしてしまったのではないか、頼まれた仕事のクオリティに失望しているのではないか、と勝手な思い込みをしてしまっているのです。
実際には、上司は社長に朝一で指示された内容に頭を悩ませていたかもしれないですし、家庭で奥さんと喧嘩して仕事が手につかなかったのかもしれません。
こういった思い込みの癖に気づくためには、事実と解釈(=思い込み)を切り分け、自分の思い込み部分を切り分けることが大事です。
そして、その思い込みの解釈は、他の見方ができないかを考える習慣をつけましょう。
事実:出社したときに上司がそっけない態度だった。その結果仕事が手につかなかった。
解釈(=思い込み):自分が上司の期待に応えられていないことが原因ではないか
他の見方:上司は社長に朝一で指示された内容に頭を悩ませていたのではないか
自分自身の思い込みの癖を知り、対処法を学んでおきましょう。
さいごに
私達の身の回りは変化の連続です。
今はVUCAの時代と言われ、とても変化の激しい時代です。
加えて、誰も予想していなかったコロナウィルスによって、私達の生活は激変しました。
そんな時代を生き抜く私達に、レジリエンスは絶対に必要となる力です。
厳しい状況でもネガティブな面だけでなく、ポジティブな面を見出すことができる人が、これからの時代を生き抜けるビジネスパーソンといえます。
ビジネスパーソンとして長く活躍し続けるためにも、5つの習慣を身につけ、レジリエンスを鍛えていきましょう。