みなさんはインサイドセールスという職種を聞いたことがありますか?
ベンチャー、スタートアップ界隈では、ここ数年「インサイドセールス」の募集が積極的に行われていて、経験者にはオファーが殺到する人気の職種です。
- 今後転職市場で評価されるスキルを身につけたい
- コミュニケーション力を活かした仕事に就きたい
- 自宅でも勤務できる職業を選びたい
このような方に、インサイドセールスはおすすめです。
本記事では、インサイドセールスがどんな仕事で、なぜアフターコロナで注目される職種なのかを解説していきます。
インサイドセールスとは
インサイドセールスの大まかな定義は、主にBtoB営業で「メールや電話、Web会議ツールなどを活用する顧客の元に訪問しない内勤型営業」のことです。
インサイドセールスに対して、従来から行われているクライアントを訪問するタイプの営業をフィールドセールスと呼びます。
インサイドセールスの手法は、2008年のリーマンショックをきっかけにアメリカで広がりました。
国土の広いアメリカでは、訪問することなく営業活動を行うインサイドセールスがとても効率的だったのです。
アメリカのインサイドセールス市場は年率7.5%で成長していて、現在は約3兆円を超える一大マーケットになっています。
日本でもここ数年、インサイドセールスに関連する様々なツールやサービスが拡充してきたため、スタートアップを中心に様々な業界で注目度が高まっています。
国内のGoogle検索数も、この5年で徐々に増えてきていることからも、インサイドセールスの注目度が高まっていることがおわかりいただけたのではないでしょうか。
インサイドセールスの役割
インサイドセールスは、マーケティングチームが獲得したリードと呼ばれる見込み顧客に対して、オフィスまたは自宅からWeb会議ツールなどで営業活動を行います。
インサイドセールスは、マーケティングとフィールドセールスの中間に位置する橋渡し役です。
インサイドセールスがどこまでの業務範囲を担当するかは、会社によって異なります。
大きく分類すると次の2つに分けられます。
①商談(アポイント)獲得型
インサイドセールスが、見込み顧客(リード)の精査・育成を行い、商談機会(アポイント)を創出するパターンです。
商談獲得型は分業制をとっていて、商談獲得までをインサイドセールスが行い、商談から契約をフィールドセールスにバトンパスします。
価格帯が高額だったり、有形商材を扱っていて実物を見ることでクロージング率(成約率)が高まる企業で分業するケースが多いです。
②オンラインセールス型(インサイドセールス完結)
インサイドセールスが、オンライン上で契約(クロージング)まで行うパターンです。
価格帯が安価な場合や、遠隔でも販売しやすい無形商材を取り扱っている企業で企業では、オンラインセールス型を採用するケースが多いです。
現在はコロナの影響で、訪問営業ができないことが増えていて、オンラインセールスの重要性やニーズが急激に高まっています。
アフターコロナ時代にインサイドセールスが注目される理由
今、インサイドセールスが注目されている理由を2つご紹介します。
1. 営業効率が高く、生産性が高い
もともと、インサイドセールスが注目されてきた大きな理由がこれです。
旧来型のフィールドセールスの場合、往復の移動時間を含めると1商談あたりおよそ3時間の時間確保が必要でした。
その他の作業時間も考慮すると、フィールドセールスのアポイント数は1日多くても4件、一般的には2〜3件です。
しかし、インサイドセールスの場合、移動時間がいらないので1商談あたり1時間の時間確保で充分です。
そのため、インサイドセールスであれば一日5〜6商談は当たり前に実施可能なので、約2倍の商談数をこなすことができます。
インサイドセールスは予定も調整しやすいため、今日問い合わせをもらったお客様に対して、その日に商談を行うこともできるのです。
2. 場所の制約条件がない
インサイドセールスは、オンラインで営業活動を行うため、場所の制約を受けません。
お客様が地方でも、海外でも、インターネット環境とパソコンがあれば簡単に商談を行うことができます。
また、インサイドセールスは、お客様だけでなく商談を行う側の社員が活動する場所にも制約がありません。
オフィスだけでなく、自宅でもコワーキングスペースでも商談できます。
もともと、働き方改革の流れの中で、柔軟な働き方の重要性が叫ばれてきました。
最近では、コロナウィルス拡大の影響で、多くの人が自宅に自粛となりましたが、インサイドセールスの仕組みが整っている会社の場合、影響をそれほど受けることなくスムーズに業務を続けることができています。
今回のコロナウィルスの影響で、アフターコロナの世界ではテレワークの推進やオンラインセールスの拡大が一気に加速していくと予想されます。
もともと注目度の高かったインサイドセールスという職種は、今後ますます需要が高まるはずです。
インサイドセールスになるためにどうすればよいか
インサイドセールスに興味を持っていただいた方は、インサイドセールスという職種についてより深く知ってもらえればと思います。
インサイドセールスの基礎を学ぶ
インサイドセールスに関して、もう少し学んでみたいという方に向けて2冊、本をご紹介します。
ぜひこちらの本で、インサイドセールスの業務内容や、仕組みについて学んでください。
では、未経験の方がインサイドセールスを経験できる会社を選ぶ際に、気をつけるポイントについてお話しします。
会社選びの際には、次の4点に注目してください。
① サービスやプロダクトに魅力を感じられる会社か
実際にお客様と接するあなたが、自社のサービスに魅力を感じていなければ、お客様にほしいと思ってもらえるはずがありません。
自分自身が自社サービスのファンであることが、最強のインサイドセールスになる近道です。
ですので、会社選びの際には、お客様に自信をもっておすすめできるサービスかどうか、妥協しないで決めるようにしましょう。
② インサイドセールスの仕組みが整っている会社か
未経験の方は、インサイドセールスの仕組みがしっかり整っている会社で、基礎から学ぶのがよいと思います。
まずは、オペレータとして商談をまわせる力をつけるのがファーストステージです。
インサイドセールスの仕組み、体制が確立した、運用フェーズに入っている会社を選びましょう。
③ マーケティングのしっかりしている会社か
入社前の確認で見落としがちなのが、マーケティングの状況です。
リード(見込み顧客)の質によって、インサイドセールスの難易度は大きく変わります。
サービスに関心のないコールドリードにアプローチするのと、興味関心を持ってくれているホットリードにアプローチするのでは、成果が何倍も違うのです。
マーケティングチームが興味関心の強いホットリードを量産できている会社の方が、結果にもつながりやすく成果も出やすいです。
④ 会社(経営陣)がインサイドセールスの重要性を理解し、力を入れている会社か
インサイドセールスが注目されているので、とりあえずインサイドセールスをたちあげてみたという会社をよく見かけます。
インサイドセールスは仕組みづくりが重要ですが、フィールドセールスの実績があって経験値が高い経営者ほど、インサイドセールスの本質を見誤りがちです。
会社や経営陣が、インサイドセールスの重要性を本質的に理解し、人や仕組みに投資を行っている会社かどうかを見極めましょう。
インサイドセールスのキャリアについて
インサイドセールスのキャリアロールモデルはまだしっかりと確立されていません。
ただ、近接領域を含めて無限の可能性がある職種なので、将来的にもかなり選択肢は広がると思います。
ここに、代表的な次のキャリア展開をあげておきます。
1.インサイドセールス組織の立ち上げをする
インサイドセールス経験を活かして、これからインサイドセールスをたちあげる会社で、一から組織構築できる人材になる方向です。
インサイドセールスを運用できるキャリアを積んだ人は、転職市場にそれなりに数が増えてきましたが、組織設計をしてチームを組成できる企画人材はほとんどいません。
設計ができる人材の需要は、今後ますます高まっていくと思います。
2. インサイドセールス部門でマネージャーになる
まあ、王道のキャリアで、管理職になる方向です。
採用や育成、業務プロセス改善など一段経営に近い目線での業務が求められるので、業務難易度はあがります。
インサイドセールスのリーダー候補、マネージャー候補も、転職市場でのニーズがとても高いです。
3.フィールドセールスになる
インサイドセールスからフィールドセールスへと異動または転職するパターンです。
会社によっては、インサイドセールスで実績を残した人しかフィールドセールスになれない、登竜門としてインサイドセールスが位置付けられている会社もあります。
同じく新規商談を行う業務なので、インサイドセールスの経験を転用しやすいキャリアチェンジだと思います。
4. マーケティングをやる
マーケティングとインサイドセールスは連携する機会も多いので、自然とマーケティングの知識も必要になってきます。
マーケティングに興味をもつことで、上流のマーケティングにキャリアチェンジするパターンも自然な流れです。
マーケティングからインサイドセールスまでの知識と経験を持てば、新規営業に関する一気通貫で数字をつくれる人材になるため、市場価値は高まります。
さいごに
これからしばらくは、コロナの影響でオンライン商談の機会が増えざるを得ないため、インサイドセールス、とりわけオンラインセールスの重要性は確実に高まります。
今からキャリアを考える20代の方が、インサイドセールスを知らないのであれば、ぜひこの機会にインサイドセールスという職種について知っていただき、選択肢に入れてほしいと思います。
営業職の中でも、最先端のインサイドセールスに就く優秀な方が増え、オンライン商談が当たり前の世の中になってほしいと思います。