大手企業とベンチャーのどちらが自分に向いているか?という質問は、議論のつきない永遠のテーマです。
私は、売上1兆円を超える大企業から3人のベンチャー企業に転職し、両方のカルチャーを経験しました。
本記事では、大手企業に向く人、ベンチャーに向く人の特徴をお伝えしたいと思います。
大企業vsベンチャー 自分に向いているのはどっち?
大前提として、大企業もベンチャーもそれぞれ素晴らしい環境を用意してくれる会社は存在しますし、会社ごとに事情は異なります。
また、どのような環境でも「覚悟を持ってワクワク働くことができる」と腹がくくれたら、そこは最高の環境です。
とはいえ、この記事を読んでくださっている方は、自分がどっちに向いているかわからない方だと思います。
そこで、それぞれでイキイキと働いていた人の共通点から、自分が大企業とベンチャーのどちらに向いているか判断できる項目をお伝えできればと思います。
大企業に向いている人の特徴
1.苦手なことが少なく、なんでも卒なくこなせる人
大企業の出世において最も重要なことは、「減点しないこと」です。
大企業には、高学歴出身のハイスペックな人が多く、ウィークポイントがあるとそこが人事考課の減点材料になります。
コミュニケーション力が高く、仕事がバリバリできたとしても、事務作業が苦手で提出物の締め切りを守らないということが減点評価になったりします。
また、営業成績はトップで、プレゼンも最高なんだけど、遅刻が多く時間が守れないという理由で減点対象になることもあります。
大企業時代の上司が「赤点のあるやつはダメだ」とよく言っていました。
大企業では全科目60点以上の人が出世する仕組みになっています。
80点を超える得意なスキルがあるより、40点を下回る苦手なスキルがないことがとても重要なのです。
2.ルールを守るのが苦にならない人
当たり前ですが、日本は法治国家です。
法に基づいた経済活動を行い、ルールを守ることの重要性は皆さんもよく理解していると思います。
実際にビジネスをしていくと痛感するのですが、日本には守るべき法律がたくさんあり、すべての法律を遵守してビジネスを行うことは、とても難易度が高いのです。
その結果、多くの大企業では法律を遵守するために細かなルールや制度でがんじがらめになっています。
一見無駄と感じる細かな制度や仕組みが、実は法律で定められたことというのはよくあることです。
たとえばですが、年に1回健康診断を受診することも、法律でしっかりとルールが定められていて、従業員は健康診断結果を会社に提出しなければなりません。
大企業では、それらのルール遵守に逸脱する行為をとても嫌います。
決められたルールを守ることが苦手な人は、大企業にむいていないかもしれません。
3.付き合いや接待を苦に感じない人
会社によるとは思いますが、総じて大企業はベンチャーと比べると、社内の飲み会が多い印象があります。
私も大企業時代に、忘年会などのイベントで、チーム単位、課単位、部単位など複数回社内行事に参加した記憶があります。
もちろん全ての飲み会に参加することで、時間もお金もかかります。
大企業は社員の人数が多いので、飲み会やイベントを通じた社内コミュニケーションを重要視します。
実際、飲み会で顔を売ることでその後の仕事がしやすくなるという側面もあります。
こういった一見非効率と感じる社内の付き合いや接待を苦痛に感じない方は、大企業に向いていると思います。
ベンチャーに向いている人の特徴
1.一点突破のテクニカルスキルがあり、成果にコミットできる人
ベンチャーで最も重要なことは、短期間で成果をあげることです。
大企業の場合、大器晩成型の社員が成果をあげるまで、数年でも、場合によっては十年以上待ってくれたりします。
一方、ベンチャーでは半年以内で一定の成果をあげないと、その人の居場所がなくなってしまいます。
営業が得意、Webマーケティングで圧倒的なスキルがあるなど、即戦力として成果にコミットできる一点突破のテクニカルスキルを持っている人はベンチャーに向いています。
ベンチャーで結果を出した人は、素早く報酬や役職で評価されるのもベンチャーの特徴です。
私の知り合いでも、20代でCXOに登用されたり、年収が1,000万円を超えたりと、大企業ではありえないスピード出世を果たした人もいます。
大企業の場合、昇進スピードが決まっていることが多く、同期と待遇面でそれほど差がつかないことが多いので、成果にコミットできる自信のある人はベンチャーで勝負する方が向いているかもしれません。
2.カオスを楽しめる人
事業フェーズにもよりますが、ベンチャーは仕組みや制度が整っておらず、いろいろと決まっていないことが多いものです。
そういうときに、主体的に情報収集を行い、自ら考え行動できる人はベンチャー向きだといえます。
また、ベンチャーで「朝令暮改」は日常茶飯事です。
昨日までやっていた作業が、いきなり無駄になってしまうこともしばしばです。
そんな状況を楽しむことができる人は、ベンチャーでも楽しく仕事ができるはずです。
一方、ルールが決まっていないと動けないという、受け身傾向が強い人、指示待ちの人はベンチャーだと苦労します。
そういう傾向が強い方は、仕組みが整った大企業で、仕事の型や仕組みを学ぶのがよいと思います。
3.ビジョンやバリューがやりがいの原動力になる人
ベンチャー企業のほとんどが、ミッション、ビジョン、バリューを掲げて、組織づくりをおこなっています。
組織が小さく、プロダクトも少ないことが多いので、企業理念と自分の仕事の距離が近く、やりがいを感じやすいのがベンチャーの特徴です。
組織が掲げるミッション、ビジョンと、自分自身のやりがいがシンクロしていて、それがモチベーションの原動力になる人は、ベンチャーに向いています。
自分の仕事が、社会を変えていることが実感できたら最高ですよね。
さいごに
余談ですが、夜型の人はベンチャー向きというように、パフォーマンスの出やすい時間帯で働き方で選ぶ方法もあります。
大企業のほとんどが社会全体にあわせた「朝出社して夕方帰る」という勤務パターンなので、夜に圧倒的にパフォーマンスを発揮するタイプの方には働き方として条件が不利になります。
自分自身の特性がわかっているのであれば、最も成果を出しやすい環境を選ぶのがよいと思います。
また、大企業とベンチャーどっちの要素もあるなと思われた方は、ある程度成長した「メガベンチャー」に就職するという選択肢もあります。
上場後のメガベンチャーであれば、ある程度制度は整っていて大企業的な要素もある一方、ベンチャーとしてのマインドも残している会社もあるでしょう。
前半でも触れた繰り返しになりますが、キャリアとして大企業がいいか、ベンチャーがいいかという正解はありません。
ご自身がパフォーマンスを最大限発揮でき、ワクワク働ける環境はどちらか?という視点で、会社選びをしていただければと思います。
この記事を読んで、自分の適性が逆だったと感じた方は、環境を変えてみるのも一案かもしれません。
一度きりの人生です、後悔のない選択をして、自分にとって最高のキャリアをデザインしましょう。